志岐さんと夏目くん


……純粋に、凄いなぁと思う。

いくら夏目くんに見せつけたいからって、ここまでするだろうか?

まぁ、向こうの学校ではイチャイチャするのは普通って言ってたから、このくらいは全然平気なのかもしれないけど。

でも、こんなに堂々と出来るのはやっぱり凄い。



「夏目ー、お前らも遠慮するなって」

「いや、ガッツリ遠慮する」

「つまんねぇ奴ー。 つーか、やっぱり志岐さんと付き合ってるのって嘘じゃね? だからキスもしないんだろ?」



山口くんが、挑発するような目で夏目くんを見る。



「嘘なら嘘だって認めたら?」

「ちょっと晴輝、そんな言い方やめなよー。 人前でしたくない人だって居るんじゃない?」

「いやいや、キスくらいサッと出来るっしょ」

「んっ……」



また、平山さんと口づけを交わす。

そのあとに、再度ニヤリと笑って夏目くんを見た。



「なぁ夏目、ホンモノの彼女なら俺らの前でキスくらい出来るよなぁ?」



その言葉に合わせ、近藤くんも言う。



「本当に付き合ってますっていう証明をしてくれたら、俺らも信じるよ」



と、馬鹿にしたような顔で。


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