志岐さんと夏目くん
ほんのちょっとでもいい。
ヘコんでる彼が少しでも楽しいという気持ちになれたのなら、それでいいんだ。
「私はミルクティー……っと。 夏目くんは何飲む?」
「俺はスポーツドリンクで。 なんかグビグビ飲みたい気分」
「うん」
コンビニに入って、それぞれの飲み物を選ぶ。
「他には? お菓子とか要らない?」
「飲み物があれば大丈夫だよ。 ごめん、俺ちょっとトイレ行ってくるね。 会計終わったら先に出てていいから」
「わかった」
ひらひらと手を振る夏目くんに言葉を返したあと、商品を持ってレジに行く。
他に並んでる人は居なかったから、スムーズに会計を終えることが出来た。
渡された商品を持って、外に出る。
そのあとに、出入りする他のお客さんの邪魔にならないよう、横の方へと移動した。
「……今のうちに時間の確認しとこうかな」
スマホを開き、電車の時刻表を確認していく。