志岐さんと夏目くん


学園祭の話だけに留まらず、授業のことやクラスメイトのこと、好きなテレビ番組やアーティストのことなど、本当になんでも話をした。

お互い返信の間隔が開くことはあったけど、それでもやり取り自体が終わることはなかった。


多分、今日一日だけで夏目くんとのやり取り一生分を話したと思う。

とても満ち足りた気持ちで



【 明日も学校だしそろそろ寝るねー 】



と送ったのは、二十三時を少し回った時だった。


放課後はともかく、朝は絶対に同じ時間の電車に乗らないといけない。

いつもの電車に乗り遅れたら、遅刻確定だ。

私の朝は他の人よりもかなり早いから、さすがにそろそろ寝なきゃまずい。



【 遅くまでごめん!! また明日学校で!! 】



と返ってきたメッセージを見て微笑む。

そのあとに【 また明日!! 】と返し、スマホを置く。



「……んー楽しかった。 人と喋ってて こんなに楽しいって思ったのは久しぶりかも」



ベッドの上でグーッと体を伸ばし、息を吐き切る。


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