志岐さんと夏目くん
……だから私も、色々思うことはあったけど その場では笑顔を見せた。
多分、それが一番良い。
下手に何か言うよりも、今この場の流れに身を任せていた方がいい。
夏目くんもきっとそれを望んでいる。
──……結局その後、昼休み終了のチャイムが鳴るまでみんなは私の席のそばで話を続けていた。
「あー面白かった!! また話 聞かせてねー!!」
ようやくみんながそれぞれの席へと戻っていく。
最後まで残っていたのは夏目くんと小日向くんだ。
「夏目、またなんかあったら報告しろよー?」
「アイツらのことはブロックしたから、今後はもう何もないって。 志岐さん、俺のせいで迷惑かけちゃってごめんね」
「そうだそうだ、迷惑かけたんだから ちゃんとお詫びしなきゃ俺が許さないぞ?」
「いやお詫びはするけど、小日向はまったく関係ないじゃん」
「むしろ俺にお詫びしてくれ」
「意味わかんねーよ馬鹿」
とテンポよく話す二人も、話を続けたまま それぞれの席へと戻っていく。
賑やかな時間が終わり、やっといつも通りだ。
……私は聞き役に徹してたけど、でも、メチャクチャ疲れた……。