志岐さんと夏目くん
夏目くんもやるかな? と思ってたけど、「俺はパス」と断固拒否。
みんながどんなに勧めても夏目くんの気持ちが変わることはなかった。
兎にも角にも、メイド役が決まればあとは他の準備を進めるだけだ。
クラス四十人中 メイド役以外の残り三十人は、装飾班と買い出し班、それから学園祭当日の裏方班、呼び込み班と分かれることになった。
当日の裏方班と呼び込み班は、バイトなどの用事で放課後の準備が出来ない十五人が分担する。
買出し班は重いジュースなどを運ぶ力仕事なので、男子多めの十人が担当となった。
そして残った五人が装飾班。
放課後に参加出来る人が思ってたよりも少なくて、装飾班がかなり少なくなってしまった。
私はその少ない装飾班に配属され、そして……同じ班には夏目くんも居る。
私たちが今 作っているのは、パーティーなどでよく見る 折り紙の輪飾りだ。