志岐さんと夏目くん
「アホっぽいって、そんな言い方したら可哀想じゃん」
「いやいや、もう“元・友達”だからね。 どうでもいいよ」
「オッケーオッケー、お前がそこまで嫌がる奴らなら 多分すぐわかるわ。 明日クラスの男子みんなに言っとくよ。馬場ちゃん、女子の方にも伝達よろしくなー」
と言われた馬場さんが、「了解」とにこやかに返事する。
そのあとに、小日向くんの目の前に置かれた折り紙を指差した。
「話すのはいいけど、ちゃーんと手も動かしてね? 全然進んでないのは小日向だけだよ?」
「え、マジっすか」
「マ・ジ・で 。 夏目くんは話しながらも しっかり作ってるもん。 みんな、自分の前にある折り紙がなくなったら帰っていいからねー」
「えぇ〜手伝ってくれないの?」
「手伝うわけないでしょ、何のために全員同じ枚数に分けて配ったと思ってるのよ。 じゃあ私と美羽は帰るね」
出来上がった輪飾りをダンボール箱に入れたあと、馬場さんと寒河江さんは帰って行った。