志岐さんと夏目くん
「あっ……じゃあ俺らも行こっか。 ていうかごめんね、アイツらがあんな感じになってたなんて、俺も知らなくてさ……」
「なんかあの四人凄いよね。 外なのにあんなにベタベタくっつけるって、なかなかないよ。 私たちもやる?」
「えっ!?」
いや、ごめん。
冗談です。
「嘘だよ、ごめん。 さすがにアレは無理、ていうかしたくない」
「……うわー超ビビった、志岐さんあんなこと平気で出来る人なの!? って思っちゃったよ。 よかった、俺もアレは無理だなぁ」
苦笑気味に笑った夏目くんが、ゆっくりと歩き出す。
その夏目くんの隣に並んで、私も進んでいく。
「……実はさ、アイツらから連絡が来たのって、中学の卒業式以来なんだ」
「そうなの? じゃあ、ずっと疎遠だったんだね」
「うん、家も中学挟んで反対方向だったから、全然会わなかった。 俺は何度か連絡してたんだけど、いっつも既読スルー。 それがある日突然【久々に会わないか? 彼女を紹介するよ】って連絡が来たから、なんか嬉しくて」
「それで夏目くんも口から出任せを言ってしまった、と」
「はい、その通りです」