志岐さんと夏目くん


本当は夏目くんに文句を言いに来た、とか?

もしくは私にだったりして。


まぁ、どんな理由かはわからないけど……学園祭を壊されるのは嫌だな。

クラスの人たちにこれ以上 迷惑がかかるのは絶対に嫌だ。



「他のお客さんに迷惑がかからないように、今は四人を空き教室に移動させたって。 俺はそこに行くけど、志岐さんはどうする?」

「……私も行くよ、夏目くんだけじゃ心配だもん」

「アハハ、全然大丈夫なのに。 でもありがとう、一緒に来てくれたら心強いよ」



そんな風に言って、お互いに笑い合う。

そのまま、急ぎ足で空き教室へと向かった。


──うちの学校は使われていない教室が複数並んでるエリアがあり、学園祭で賑わってる時でも その一帯は人が寄りつかない。

階段を上っていき、そのエリアに到着すると……すぐにメイド姿の鳴沢くんと会った。


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