志岐さんと夏目くん


「……馬場さん、迷惑かけちゃってごめんなさい」

「え、全然いいよっ。 ていうか悪いのはあの二人だし」



と言いながら、馬場さんはチラリと窓際の男子二人に視線を向けた。

それに釣られるよう、私も静かに視線を向ける。


……近藤くんと山口くんは、元彼女である女子二人を睨みつけていた。

私と夏目くんが入ってきたことには気づいてるだろうけど、そんなのお構いなしって感じだ。


佐々木さんと平山さんも、相変わらず男子二人を睨みつけている。

かつて恋人同士だったとは思えないほどに、四人の間の空気はピリついていた。



「馬場ちゃん、これってどういう状況?」

「んーっと、復縁を求める男子VS断固拒否の女子。 で、睨み合い中」

「……んん? 女の子たちがアイツらを睨みつける理由はわかるけど、復縁を求めてる側があんなに睨みつけるって変じゃない?」

「や、それがさぁ、男子二人は「俺らが正しいんだから俺らに従え」って言ってるんだよねぇ……」

「あぁ、なるほど」



……見事なまでのクズ思考。

佐々木さんと平山さんが怒るのは当然だ。


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