誰を？何を？見ているの？

☆☆そろそろ

朝、目を覚ますと隣のベッドには
誰もいなかった。

朝食の準備か？
と、思いリビングダイニングに行く
ダイニングテーブルには
俺の朝食がラップをかけられて
置かれていた。
その横に
【先にでます。】のメモが。

もう、でたのか····
と、ガッカリしながら
朝食をたべる。

美味しい·····

準備をして出社する。
会社についてしばらくすると
天音から
《　行ってくるね。　》
と、LINEがあり
《　気をつけてな。　》
と、返すと
《　うん、大好きだよ。　》
と、来て
《　俺も　》
と、返す。

なぜか、好き····だと
返せなかった·····




彩葉は、自分の部屋で目を覚まし
早いが、朝食の準備をして
早目に病院へと向かう。

病院で、ゆっくり珈琲を
飲みながら、今後を考える。

《おはよう。朝食ありがとう。
美味しかった。　》
と、薫からLINEがきた。

律儀な人だと思うが
返さなかった。

だが····なんだか、色々考える事が
煩わしくなり
仕事を組み込んだ。

病院側から結婚したことで
当直を配慮されていた。
要らないと言ったのだが
「他の人も皆そうです。
先生だけを別にはできません。」
と、言われてしまい
降りるしかなかった。

それを解除してもらい
当直も当番も入る。

実家の病院へも出向く
戻る準備だと言うと
父は、喜んでくれた。

そうすることで
薫とは、何日かに一度ぐらい
顔を見るか、話をするか
となり楽だった。

それを見逃さないとも子から
《　夜。話しあり　》
と、来て
《　了解　》
と、返して

薫に
《　夜。とも子と合います。　》
と、だけ送る
《　わかった。　》
と、返信がきた。

待ち合わせ場所に行くと
「どうなってるの？
彩葉が、仕事大事なのは
知っているけど。急じゃない。」
と、言われて
私は、思った事、感じた事を
話した。

だから····
「一年、待たないかな···」
と、言うと
「そんな事が·····
でもさ、彩葉、
あんた今、自分がどんな顔してるか
わかってる？」
「どんな？って、普通でしょ？」
「普通じゃないし。
悲しそうで、つらそうだよ。」
「そうか····確かに···
なんだかな····って感じ。
だけど、最初から決まっていた事だから
少し早く終わるだけだよ。
薫は、その人と幸せになれば
よいだけだから。」
「そうだけど。
あなたが、つらかったり
悲しかったりする必要ないじゃない。
まったく、人が良いにもほどがある。」
と、言いながらも
一緒に呑んで食べて
バカな話を沢山してくれる
とも子に感謝しかない。

とも子とわかれて帰宅し
お風呂に入り自分の部屋に入ると
«　コンコン　»
「帰ったの？仕事？」
と、薫。
「起こした？ごめん。
ちょっと見たい物があるから。」
と、ドア越しに話すと
「そう、わかった。
無理しないように。」
と、言われて
「ありがとう。お休み。」
と、返すと
「お休み。」
と、寝室に向かう薫の足音がした。

はぁっと、ため息を付き
部屋にあるソファーに
コロンと横になる

だから、恋だの愛だの
嫌だったんだ
と、思っていると寝てしまっていた。

目を覚ますと寝室の自分の
ベッドに寝ていた。

薫が·····

まだ、薫は寝ているようだ。
朝食の準備をしていると
急いだような足音がして
「あっ、いた。
おはよう。」
「おはよう。運んでくれたんだね
ありがとう。」
「中々、寝室に来ないから
気になって、ごめん、勝手に入って。」
「大丈夫だけど、私の事は
気にしなくて大丈夫だから。」
と、言うと薫はえっと
言う顔をして悲しそうにした。

私は、それに気づかないようにして
朝食を作る。
二人で食べるが
前みたいに会話はない
その変わりに
当直や当番、実家の診察が
始まることを伝えた。

だから、あなたは、あなたの好きな
女性とゆっくり過ごして大丈夫だよ
の意味を込めて。

薫は
「そう。そんなに？」
と、言ったが
私は、それには答えずに
準備をして病院へ。