誰を?何を?見ているの?
11項

☆☆邪魔者


薫からLINEや電話がなる。

だが····出ることも
返すことも····できない······

わかっている
薫があの子を想っていて
あの子も薫を想っている

それなら、要らない?
邪魔なのは·····私だと·····

遥····以外に気持ちが動くなんて
今まで····なかった····のに·····

薫との生活が
本当に穏やかで·····
居心地がよくて·····
一緒にいて、本当に楽···だったから

····勘違い·····していた····。

そう···だよね·····

邪魔者は、去らねば······っ·····


そう思っているが·····
直ぐに動けなかった。

今は、ホテルに宿泊している。
そんな、私に·····
「ちょっと、来なさい。」
と、とも子。
「あんたさ、私がこの間
話したこと覚えてる?」
「ん?うん、たぶん。」
「はぁっ、バカッ!」
「わかってる。」
「で?」
と、言われて、先日の話をした。

「だけど、動けないんだ。
バカ、彩葉。
あんた、あいつに気持ちあるんじゃない。」
「ほんと、バカだわ。
笑えるね。あいつに想い人いるの
わかっていたのにね。」
「····あや····は····」
「邪魔者は去らないとって
わかっているのに····
動けなくて···さ·····」
と、言う私をとも子は抱き締めてくれた。

「自分の気持ちが落ち着くまで
いいんじゃない。
彩葉が、一人で辛い思いばかり
する必要ないよ。
二人にも気を使う必要もない。」
と、言ってくれた。
私は、
「ありがとう。」
と、とも子に言ってから
薫に
「しばらく、一人になります。」
と、LINEをしてLINEをブロックして
携帯を閉じた。

その間に、薫が何をしても
構わない。


だが····

一週間たっても
二週間たっても
気持ちは、落ち着かなかった。
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