誰を?何を?見ているの?

☆☆一人で


彩葉からLINEが来た。

毎日、LINEや電話をしていたが
何もなくて心配だった。

《 しばらく、一人になります。 》と。

どれだけの思いで·····
と、辛い気持ちになりながら
彩葉が直ぐに動かなかった事に
ほっとしていた。

兄貴には、彩葉の現状を
話していた。

兄貴も彩葉の事を心配している。

どこにいるのかも
ちゃんと食べているのかも
わからない

決まったら連絡をくれるだろうか?
いや、彩葉の事だから
きっとくれるだろう。

俺は、今の俺自身の思いや考えを
手紙に書き
右田さんにお願いした。

待ち伏せしていた俺に
右田さんは、悲しく苛立ちの顔を
されたが、
「渡しておくから。」
と、言ってくれた。

そして·····

「あんた、バカだわ。
彩葉と、このまま·····
と、いいかけてから
止めて歩いて行かれた。

本当にバカだと思う
本当に······

天音からは、毎日LINEと電話が
くるが、しばらくかけないで
欲しいと伝えた。

なにやら、ブチブチ言っていたが
俺は、そのまま電話を切った。

今は、彩葉を優先したい····と。

総帥に話すにも
今は、無理だと思い
会社とマンションへの行き来のみと
なっていた。


とも子がホテルに来て
「なんで、こんなとこにいるのよ。
家に来なさい。」
と、言ってくれたが
「今は、一人でいたいかな?」
と、答えると
「これ。」
と、封筒を渡された。

ん?と、見ると
「あいつが持ってきた。
あいつ、やつれていたよ。
彩葉は、元気ですか?
ちゃんと食べていますか?
風邪は治りましたか?
だって。
あんたの方が、と思ったけど
そんな事、言ってやんないよ。
自業自得だからさ。
でも、話してないんでしょ?
だから、今の自分の思いを
知って欲しいって。

渡したよ。
読むかどうかは、彩葉次第だけど。
私はね、彩葉に幸せになって欲しいの。
遥君が幸せにしてくれたら良かったけど
彼は、もういない。
それに遥君も彩葉の幸せを
願っているに決まってる。
あんなに彩葉を大切に大事に
していたんだから。」
と、言われて
「ありがとうっ···いつまでも
とも子に心配ばかりかけてるね。」
と、言うと
「私だって、心配かけてるでしょ。
お互い様。」
と、笑ってくれてから
「さぁ、食べるよ。」
と、買って来たものを並べて
二人で食べた。

友達って、本当に温かくて
すごいなぁ····と思った。


とも子が帰ってから
薫からの手紙を読む。

男にしては綺麗な字を書く薫
とても読みやすい。

幼馴染みに対しての今までの想い
兄・哲さんとの間の誤解

私と暮らしてからの自分の気持ち
穏やかで寛ぎの空間になっていて
一年と言われたが
ずっと一緒にいたいと思ってしまった
事がかかれていた。

私も同じだったよ····薫。

もっと早く会いたかったね。
ああ、無理か
早いと遥いたし······うふふっ。
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