誰を?何を?見ているの?

☆☆大変な事①


「彩葉ちゃんが、お前をかばって
言ったのに。
お前から聞いた事を
わしは、勇三に話すしかない。
それを勇三は、
百合さんに話すしかないんだ。

百合さんは、勇三では押さえきれない
力を持っているのじゃ。

その結果が、これじゃ。

まあ、潰されなかったのは、温情じゃ。

そもそも·····

わしが、この話をお前達に
持って行かなければ
良かったのじゃ。

百合さんは、
遥君が亡くなった後の
彩葉ちゃんを見て半狂乱に
なったんじゃ
それを隼人君が全力で守った。
だからこそ、二度目なんぞ
許されんのじゃ。
お前達の今後はお前達に任せる
だが、もうわしに構わんで良い。
哲は、哲で。
薫は、そのおなごと生きて行くなら
そうせい。」
と、言うと静かに会議室を
出ていかれた。

「兄貴·····すまん····
本当に、申し訳ありません。」
と、頭を下げる。
「いや、一蓮托生だ。
会社に戻り片付けをするぞ。」
と、言うと二人は足早に出て行った。


その頃·····彩葉は·····

黒木の伝言を聞いて
黒木と話をした。

······ママが·····?······

私は、あの頃の記憶があまりなく
ママの事は、後日きかされた。

お父さんの体は、歯形や引っ掻き傷や
切り傷や殴られて青あざが
すごかったのは、
なんとなく覚えている。

どんなに、お父さんやママ
おじいちゃまやとも子、凪
黒木さんに心配かけたか
わからない。

おじいちゃまには、
すぐに連絡をした。

おじいちゃまは、
「彩葉か?心配いらん。
百合との約束だったんだ。
風間建設以外は、全てを残して
経営者だけが変わったと
忠臣から。
百合さんの温情だと
言っておった。」
「風間建設は?」
「風間建設は、社長、副社長は交代
名も変わる。
忠臣は、二人に今後は
好きなように生きろと
通達をしたらしい。」
「そんな·····大変な····事に·····」
「良いか。彩葉。
中途半端な事をすれば
このような結果になる。
それは、経営者として致命的な事だ。
だから、彩葉は何も
気にする必要はない。」
「だけど····」
「わしが間違った事
言った事があるか。」
と、言われて
電話だけど、首を何度もふる。
「ない。おじいちゃまが
間違った事····言った事ない。」
と、言うと
「そうだろ。」
と、言い笑ってくれた。

後は、おじいちゃまに任せようと
思いホテルへと戻った。

明日は夜勤だから
離婚届を提出して
マンションから荷物を出す。
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