誰を?何を?見ているの?
☆☆ありがとう
少しずつ、ちょっとずつ
経過が落ち着いていたのに
今日、行きなり急変した。
力尽くせずに····
ご両親の気持ちを思うと
たまらない·····
遥····また·····
救えなかった····よ·····
どうして···なんだろう·····ね·····
ただ····一生懸命に
病気と戦っている···だけ···なのに····
元気にしてあげたい···だけ···なのに····
と、考えていると·······
フワリ····と
背中に温かいものが····
「あなた、医者でしょ?
風邪をひいて患者さんにうつすわよ。
私は、明日退院するから
それあげるわ。」と。
あれ?彼女は······薫の······
優しいんだ·····と、思っていると
「優しい言葉なんか
掛けてあげない。
私、初めての失恋だったんだから」
と、言って立ち去る
彼女・天音さん?だっけ。
「ありがとう。」
と、口を動かしてから
立ち上がり、病棟へと戻る。