誰を?何を?見ているの?

☆☆もう一度


「キャーッ」
「······んん?あや···は···?」
「かおる?ねぇ、かおるってば。」
「おいで」
と、抱き締める薫に
「ダメッ、だめ。これっ、これだよ。」
「気にいってくれた?」
「うん、うん、とっても。
あ~、だけど·····」
仕事中、指輪はできないと
せっかく、貰ったのに·····

「これに嵌めて。」
と、チェーンを出す薫
「·····すごい、薫!!
あなた、すごい。」
「ありがとう。だけど
ご褒美なら、態度で欲しいな。」
と、眼を閉じたまま話す薫の
唇にキスをし
「大好きだよ。ありがとう。」
と、言うと
身体が逆転して
薫が上から見ながら
「愛してる。」
と、深くキスをされ
テーシャツの下から
薫の手が入り
胸先を弾かれたり揉み上げられ
「·····んんっ····」
「彩葉、抱いても?」
と、言われて、このまま流されたいけど
「ダメッ、だめ。仕事。」
と、言うと
「·····だよね。」
と、残念そうに言う薫の分身は
私の太ももで誇示していたから
「ごめんね。」
と、言うと
「大丈夫。」
と、言いながら
「下着類は、洗って乾いてるけど
一度、帰るでしょ?」
と、言われて
「洗ってくれたの?ありがとう。
本当にごめんね。」
と、言うと
薫は、さっさと用意をして
私にブランケットを羽織らせて
くれて、地下の駐車場に行き
私を車に乗せ
「彩葉ナビね。」
と、言いマンションまで
送ってくれた。

なぜか、薫も一緒に
私の部屋へと入ってきて
「ここで、準備をする。」
と、言って洗面所を訊ねて
行ってしまった。
私は、おかしくなって
笑ってしまい
自分も準備をしながら
簡単な朝食を作る。

髭をそり、髪をセットして
スーツに着替えて
リビングに来た薫は
すごく喜んでくれて
「たいした物でなくて
ごめんね。さぁ、食べよう。」
「いや、嬉しい、ありがとう。」
と、手をあわせて
「いただきます。」
と、言う薫に
こちらも顔がほころぶ。
「美味しい。」
と、嬉しそうに言う薫。
私も、「いただきます。」と、食べる。
準備をして、再び薫の車に乗り込み
病院へと向かう。

車の中で
お互いの連絡先を交換し
当直以外は、どちらかの家で過ごす。
疲れていたらその限りではない事も

薫の
二度と離れたくない
もう、失うのも嫌だ
の、訴えに負けてしまったとも
言えるが、私自身も
そうでありたいと思ったから。
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