誰を?何を?見ているの?
☆☆嘘っ
式場も決まり
ウェディングドレスも
ママと選びに行ったりとした日々の中
研修の先生が海外から見える事に
北里大学病院からの要請らしい。
小児科希望との事。
院長と入ってきた人物に目が
身体が動かなかった。
····は······るか······?·····
「青山 紬(あおやま つむぎ)です。
宜しくお願い致します。」
青山?だが、遥ではない
そう思っていても
身体が動かなかった。
「彩葉、青山君の指導医頼めるか?」
と、院長の声に
聞こえているが、身体が····
「彩葉!!しっかりしろ。」
と、凪に肩を叩かれて
はっと。「はい。」
と、返事をすると
「クスクスっ。
佐久間先生、宜しくお願い致します。」
と、言う青山君。
「彩葉。わかってるな。
あいつは、遥じゃない。
しっかりしろ。」
と、凪が耳元で囁く。
わかっている、わかっている
······けど·······
先生方は、解散して行く
「佐久間先生、私は?」
と、青山君に訊ねられ
「····ああ、うん···行こうか」
と、小児科病棟へ
師長から看護師さん達に
紹介をして挨拶をする。
その頃凪は、院長に
「どういう事ですか?」
「ああ。青山君から
北里大学の教授に頼んだらしい。
だいたい、アメリカの医学部を
卒業してから日本の医療も学びたいと
アメリカの大学から北里大学へ
話がきたと。」
「で、わざわざ、佐久間に。」
「彼は、遥の弟だ。」
「えっ?あの親と海外へ行った?」
「ああ、そうだ。」
「何か、考えが?」
「わからない。
どういうつもりなのか?
様子みるしかない。」
「わかりました。
薫には、私の方から
知らせておきます。」
「そうだな。頼む。」
凪は、院長とわかれて
薫にLINEをした。
薫から
「連絡ありがとう。
様子を見てみる。」
と、返信がきた。
やっと、二人で歩きだしたのに
なぜ、今なんだ?
遥·····あいつを、彩葉を
守ってくれ。
仕事を終え
自宅に帰り、とも子にも話す。
とも子は、かなり心配していたが
今は、様子を見ながら
見守るしかないと
話し合った。