誰を?何を?見ているの?
☆☆失う?
久しぶりに薫に会うのだが
化粧をやり直すより
少しでも早く薫に会いたかった。
薫のマンションにつき
セキュリティを解除し
部屋の前に行く
鍵は、もらっていたが
玄関ブザーを押す
玄関が開くまで
緊張しながら待つ····が·····
ドアが開く気配はなく
鍵を使い中に入る
部屋の中は······真っ暗
寝てるのかな?
静かに寝室に行くが
ベッドには、誰もいない
あちこちの電気をつける。
ソファーには、服が重ねられ
キッチンは、
ゴミとアルコールの缶で
溢れていた。
私の···せいだ·····
薫は、綺麗好きの方だ。
「ごめんね。本当にごめん。」
謝っても許されない事をした。
薫といるより
青山君といる方が多かった。
恋人である·····
婚約者である·····薫より··も···
本当に、私は
誰を?
何を?
見ていたのだろうか?
あんなに私を
大事に大切にしてくれて
愛してくれた薫と
遥に似ている?
本当は、あまり似ていないのに
私は、何を見ていたのだろうか?
自暴自棄になりながら
窓を開け
薫の洋服1つ、1つ手に取り
片付け
洗濯機を回し
ゴミを捨てる。
涙で前が見えなくなりながら
ポタポタ涙を落とし
床を拭いては····落ち·····
ラグを拭いては····落ち·····
本当に、私は····いったい·····
時間がかかったが
一応、片付けは終わった。
綺麗になった部屋で
ぼぉっ·····と····
日付が変わっても
薫は、帰って来なかった。
薫は、このまま帰って来ないのでは
ないか·····と不安に押し潰され
そうになりながら
私は、泣き疲れからか
フローリングの上で
いつの間にか、眠ってしまっていた。
寒くて目が覚めた
窓が開いたままだ
携帯を見ると
四時前だった。
薫は、帰って来てない
LINEをしたら···良かったのかも
しれない。
メールでも····
電話でも·····
ここの所、連絡していなかったから
出来ずにいた。
顔が痛い···泣きすぎ?
頭···も·····
一度、自分の部屋に帰ろうと
薫のマンションを後にした。