誰を?何を?見ているの?
20項
☆☆元気になれ
青山君が病室を出てから
私は、ほっとしてしまったのか
意識が遠退く
薫は、心配したが
はりつめていたのが
解けた⋅⋅⋅⋅⋅⋅と、わかり
彩葉をそのまま眠らせ
おでこに触り
まだ、熱いなぁと思い
氷枕をナースステーションへと
持って行き変えてもらい。
彩葉の頭の下に入れ
彩葉の手を握る。
事務長から先程
「風間君は、本日休みで。」
と、言われた。
本当に、優しい方だ。
そんな事を思いながら
彩葉の顔を見て
やっと、戻ってきた。
待っていて、良かったんだ。
と、実感していると
« コンコン »
入ってきたのは、凪で。
凪に
「連絡、ありがとう。」
と、言うと
凪から、昨夕の話をされて
驚きと共に自分自身にも腹が立った。
凪に自分の気持ち
自分の昨夕の行動を話すと····
凪は、
「薫が、そう考え悩むのはわかる。
だが、まさか、入れ違いとはな?
まあ、彩葉の熱は、罰ときっかけだな。」
と、言うから苦笑いをすると
「薫、頼むぞ。こいつを。
俺ととも子の大事な
大切な彩葉を幸せにしてくれよ。」
と、言われて
何度も頷きながら
「ああ、必ず。
凪やとも子ちゃんには、
どれだけ、助けてもらったか
わからない。
二人の分、いや、遥さんを入れた
三人分、彩葉を愛し護って行く。
そして、必ず幸せにするよ。
まあ、俺が彩葉がいないと
覇気もなにもなくなるみたいだ。」
と、言うと
凪は、少し呆れた顔をしながら
優しく笑ってくれた。
凪が仕事に戻ると
点滴のかえや検温、
診察と入れ替わりにみえて
彩葉は、ゆっくり眠れない。
「大丈夫?」
と、訊ねると
熱のせいか目をウルウル
させながら頷いているが
少し静かになると
寝てしまう。
やはり、本調子ではないのだろう。
でも、食事は取らさないと
行けないから
食事が来ると彩葉を起して
少しでも食べさせる。
すると、検温や薬を看護師さんが
持ってきて服用する。
夕方は、院長と百合さんも見えた。
百合さんは、俺を見て
ほっとした顔をしながら
「彩葉が、本当にごめんなさい。
そして、ありがとう。」
と、言うから
「いいえ。でも、俺が一番
ほっとしているでしょうね。」
と、言うと院長も百合さんも
笑ってくれて
院長は、
「朝は、すまん。
凪に叱られた。」
と、言うから
首をふり
「式は、そのままで行きます。
宜しくお願い致します。」
と、頭を下げ伝えると
「そうね。邪魔が入らないように
その方が良いわ。」
と、百合さん。
院長も頷いてくれたから
「ありがとうございます。
宜しくお願い致します。」
と、再度頭を下げる。
兄貴にすぐにLINEをした
心配かけていたはずだから。
天音·····昨日、何も言わずに
いてくれたんだ。
あいつ···らしい···か···。