彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
そう言おうと、
口を『ひょ』の形にまでしたのに……
「俺の気持ちがわかったら、
早く俺に惚れろよな」
ごつごつした男らしい手で、
頭をワサワサと撫でられ。
「夕飯、ありがとな。
明日の朝ごはんは、俺が作るけど。
和食でいいよな?」
ワイルドっぽく悪っぽく
微笑まれちゃったから
「はい」としか、言葉が紡げなくて……
「よく寝ろよ。おやすみ」
もう一度
私の頭を撫でる氷牙さんに手が
離れて欲しくないほど、優しくて。
――この幸せを壊したくないなぁ。
そう思ってしまった私は
本当のことなんて、言い出せなかった。