彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
体中の力が抜け、地面に崩れ落ちそうになった瞬間
ドキュン!
私の心臓に、弾丸が撃ち込まれたような衝撃が走った。
あまりの激痛に、私の唇を塞いでいた氷牙さんを両手で突き飛ばしてしまったほど。
「……、っう」
立っていられない。
私は崩れるように床にしゃがみ込む。。
「お……おい、みくる。どうした!?」
氷牙さんの心配声。
言葉を返したいのに
『痛っ…すぎ……』
『苦っ…し…すぎ……』
包丁で心臓をえぐられるような痛みに、私は顔を大きく歪めることしかできない。
激痛の涙が頬を伝う。
歯を食いしばれば食いしばるほど、涙は溢れて止まらない。
「みくる、心臓が痛むのか?」
氷牙さんは、優しく私を抱きしめ
「……ごめん、本当にごめん!」
私の背中を必死に撫で、取り乱したように私に謝りはじめた。