彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「今日は稽古はいいよ。
私、教室に戻るから!」
私は立ち上がり。
カバンを肩にかけ。
武道場を出ようと、歩き出したのに……
追いかけてきた総長に先回りされ、
ドアを塞がれてしまった。
「総長、どいて!」
「……無理です」
「午後一の授業、歴史でしょ?
1秒でも遅れたら、
放課後にグラウンドを走らされるよ」
「さらし者になるのは、
勘弁していただきたいですね」
「でしょ? それなら……」
「でもまだ、お昼休みが終わるまで、
時間はありますから」
総長は私に、スマホを突きつけると
画面の時計表示を指さした。
確かに……
授業に遅れるなんて言い訳は、
通用しなかぁ……