彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目


 なんで氷牙さんが『ごめん』なんて言うの?


 プロモーションビデオの撮影を中断させてしまってごめんなさいと、私が謝らなきゃいけないのに。



 「……うっ」



 胸がジリジリする……

 焼けこげそう……

 耐えられない……



 激痛の波に襲われるたび、私は氷牙さんの腕の中で体をくねらせ。



「息…できなぃ……痛…ぃ……んんっ……」



 痛みを逃がしたくて、私は氷牙さんのタキシードをぎゅーぎゅーぎゅーぎゅー握りしめた。




 「辛いよな? 苦しいよな? ほんとごめん。ごめんな」


 「もう……ムリ……」


 「耐えてくれ、みくる!」



 こんな激痛になんて、耐えられないよ……




 「みくる、目を開けろ! オイ、頼むから!」



 氷牙さんの、涙交じりの怒鳴り声が、私の耳を攻撃するかのように突き刺さった瞬間


 痛みにこらえきれなくなった私の意識が、プツンと途絶えたのでした。











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