彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目


うわっ///


何ハズイことを
面と向かって、俺に言ってんだよ!



「なっ!
 みくるちゃんに惚れられること、
 間違いなしだろ?」





綺月は真っ白な八重歯を光らせ、
やんちゃ顔で笑っている。




ぷっ。
なんだよ、それ。

理由、めちゃくちゃだな!




「みくるちゃんが
 氷牙に毒はまりするように。
 退屈な授業受けてる時、
 ずっと祈っててやるからさ」



ほんと綺月って、生意気なガキ。



でも俺のとんでもない人生は

この生意気高校生に
すっげー助けられてきたんだけど。





「授業、さぼんな!
 高校生は、ちゃんと勉強しろ!」


俺は兄さん笑顔で、
綺月の頭をワサワサすると。

長い前髪を、
無意識に眼鏡の上にカサカサ集め。



「ありがとな……綺月……」


テレ声をなんとか、紡ぎ。


千柳の家を後にした。





 


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