彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
総長との心の距離
☆みくるside☆
――次の日。
昨日の私は
自分を殴りたくなるほど、情けない
『逃げ女』だった。
総長との映画は断って。
学校から、
氷牙さんのマンションに直帰。
『氷牙さんが電車の中で好きになった人は
私ではありませんって、絶対に言う!』
ダイニングテーブルに
婚姻届けを置いて。
椅子の上で三角座りをしたまま、
氷牙さんの帰りを待っていたけれど。
『俺は死ぬまで、
みくるのことを、手放す気はないから』
タキシード姿のワイルドアイドルに
艶っぽく見つめられ
『永遠に、俺のそばにいろよ』
息もできないほどの、情熱的なキスをされた
挙式のことを思いだしてしまい
――やっぱり
氷牙さんと離れたくない!!
抗えないほど膨れ上がってしまった欲求に、
惨敗。完敗。