彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
――年下の乃々に
英文をほとんど訳してもらったと、
バレバレだってことか。
ため息とともに、頭をポリポリ。
「総長に、嘘は通用しないかぁ~」
私は開き直り
「総長の察する通りですよ。
自分の英語力は、
ほぼ使いません・で・し・た」
敢えての敬語で
語尾をイヤミっぽく強調して
「英語なんて話せなくても、
ジェスチャーと度胸さえあれば、
どの国の人とも
コミュニケーションが取れるの」
ふてくされた様に、
英語のノートを閉じるも……
「素直な姫も、可愛いですね」
予想外の褒め言葉が、とんできて。
「なっ///」
「姫のテレ顔も可愛いですよ。
僕のスマホのカメラで、
連射してもよろしいですか?」
見た目、白馬に乗った王子様から
姫に手を差し伸べる様な
パーフェクトスマイルを投げかけられたから
「ダメに決まってるでしょ!」
「なんでですか?」
「なんでって……
総長の極甘な褒め言葉は、
背中がゾワゾワするからやめて!」
込み上げてきた恥ずかしさで、
つい吠えちゃった。