彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
ノートを握りしめた手に、
力をめいっぱい込め。
このハチミツみたいな、トロ甘な空気を
キツイ言葉攻めで
一掃しようと思ったのに。
「本当に好きですよ。
姫のハチャメチャなところ」
真ん丸な瞳がなくなるくらい
ゆるっと微笑まれて。
「姫の心が奪えるのなら、
今すぐあなたの手を取って、
僕の部屋に連れ込むのに」
王子らしからぬ
卑猥さを含んだ爆弾発言を、
降りまかれたから。
へっ?
総長の……部屋……?
あまりの驚きに、
私の脳がフリーズして
持っていた英語のノートを、
床に落としてしまった。