彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「もう、姫ったら。
僕の冗談を、真に受けすぎですよ」
そんな、心臓に悪い冗談。
やめてよ!!
「落としましたよ」と、微笑みながら
マヌケ顔で椅子に座る私に、
ノートを手渡した総長。
クラスメイトが
ウジャウジャいる教室で
私の心が、勝手にざわめきだす。
この
ざわめきをごまかしたくて
「総長らしくない冗談、
本当にやめてよね!!」
私は総長の肩を、
グーでボコボコ叩いていると。
総長の笑顔が、急に陰り。
「……僕らしくないって
……なんなんですか?」
怒りを含んだような
総長の弱々しい声が
私の耳に届いたから。
「……えっ?」
私は困惑で、全身が固まってしまった。