彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「姫……」
突然、
隣の席から震え届いた、弱々しい声。
「総長、どうかしたの?」
朝みたいに、顔面から
トレードマークの笑顔を消して。
今にも泣きそうなほど、
顔を歪まして。
「姫は当分の間……
武道場に来ないでください……」
……えっ?
「僕が良いよって言うまで……
ずっとですからね……」
総長は私を無視するように
無表情で黙々と
カバンに荷物を詰め込んでいる。
そんな彼に
「あっ、う……うん。わかった。」
私は必死に動揺を隠して
コクコク頷くのが精いっぱい。