彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目



席を立ち

金髪のゆるふわ髪を揺らしながら


「それでは、姫。ステキなお昼休みを」


優雅に微笑んだ総長に



――笑ってくれたぁ。


心の底から、
安堵が込み上げてきたのに……



余裕を帯びた笑顔が見れたのは
一瞬だけ。





私に背を向けながら、
総長の笑顔は、どんどん崩れていって。



唇を噛みしめ、瞳を陰らせ、
切なそうに下がる肩にカバンを掛け

総長は、廊下に向かって歩き出した。




私は、彼の悲しそうな背中
が廊下に消えるまで

彼の背中から
ずっと目が離せなかった。





< 173 / 343 >

この作品をシェア

pagetop