彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
――今日こそは
氷牙さんに別れを告げなきゃ!
――総長のことも、何とかしなくちゃ!
はぁぁ~と
疲れ果てたため息をこぼし、視線を上げる。
すると、約、15メートル先
歩道を通せんぼするかのように、
人だかりができていた。
制服女子たちのキャーキャー声が
雲まで届くんじゃ?と思う程、
渦巻いている。
その中心にいるのは
『金髪王子』と女子たちが崇拝している、
総長だと思うけど……
校内でよく目にする光景。
でも、歩道を占領するのは
良くないよね?
ここを通るのは、一般の人もいるわけで。
せめて、人一人分の通路は
開けてもらわないと。