彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目




驚きが強すぎて

素直に引きずられていた足を
地面に踏ん張らずにはいられない。




「ほら、早くしろ!
 メンバーを待たせてるんだから!」


「今日は、ライブがない日ですよね?」



ゾルックのライブは、
毎週土曜日だけって言ってたし。




「まあな」


「他のお客さんも、たくさんいるんですか?」


「……いない……けど」


「たくさんじゃないってことは、
 50人くらい?」



普段のゾルックライブは

ステージ前のだだっ広い所で

数えきれないファンが、
どさっと集まるって聞くし。





「客は……

 みくる一人だけだから……」




そっかぁ……

私、一人だけかぁ……


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