彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
氷牙さんのテレ声が、脳に浸透して
ついつい、空を見上げちゃった。
あの鳥さん、
青空の中を飛んで、気持ちよさそうだなぁ。
私の背中にも、羽があれば……
ひゃっ!!
なんて無意識で大胆な現実逃避を
しちゃってるの? 私は!!
いくら氷牙さんの口からでた言葉が、
脳の解析システムを破壊したからって
呑気すぎでしょ!!
頭をオーバーに振り。
脳を活性化させ。
謎を、氷牙さんにぶつけてみる。
「私、一人だけって……
本当ですか?」
「ああ。
サイコーに贅沢だろ?」
熱狂的なゾルックファンに
殺されそうなくらい
贅沢ではありますが……
ライブの意図がわからない、この状況。
絡められた氷牙さんの指が
力強く、私の指を締め付けてくるから
ドキドキは収まらないわけで……