彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
氷牙さんは
止めてあったバイクにまたがった。
ヘルメットを渡され
「みくるも、早く乗れよ」
顎クイで、指示されたけれど
乗る気なんて、湧き出てくれない。
バイクの横に立ちつくす私の前に、
子猫ちゃん達が、駆け寄ってきた。
「本当に氷牙さんは……
みくる様の彼氏なんですか?」
戸惑う私よりも先に口を開いたのは
バイクにまたがったままの、氷牙さん。
「彼氏って言うか、婚約者だけど。
何?
みくるの相手が、俺じゃ不満なわけ?」
氷牙さんのぶっきらぼうな声に
瞬時に反応したのは
子猫ちゃん達の後ろで、この状況を見守る
氷牙さんファンの子達で。
「嫌ぁ~~」
「信じられない!」
と、悲鳴を上げている。