彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目



悲鳴が収まりかけた頃


乃々が飛び出してきて、
涙声を私にぶつけた。




「みくる様の、嘘つき!!」




……えっ?


……私が……嘘つき?




「彼氏なんかいないって
 私の頭を、ナデナデてくれたのに!!」






乃々だけじゃない。


「私たち以上に大事な人はいないって、
 言ってくれたのに……」


子猫ちゃん達全員の瞳も、
苦しそうに揺れている。





確かに


私は嘘つきだ……




子猫ちゃん達を安心させたくて

『好きな人すらいないよ』

なんて言っておきながら



氷牙さんと同棲して。



異性としての魅力に憑りつかれ。



初恋の幸せを、味わっていたんだから。




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