彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
懇願するように、
子猫ちゃん達を見回しても
私に突き刺さっているのは、
軽蔑色に染まった瞳たち。
「もう私……
みくる様のこと……
信用できなくなっちゃいました……」
……乃々。
「番長が『嘘をつく人間が嫌い』って言うから、
隠し事なんかしないで、
なんでも番長に話してきたのに……
あんまりじゃないっすか!」
……早苗。
「みくる様をお傍にいるの、
やめてもいいですか?」
「それは……」
絶対に、嫌だなぁ。
だって、子猫ちゃん達は
私にとっての心の支えで。
自分で自分を消したいくらい、
情けなくなった時。
醜い過去の亡霊に、
心が乗っ取られそうになった時。
みんなの笑顔と優しさがないと、
私は、
前を向いて生きていけないんだから。