彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目




懇願するように、
子猫ちゃん達を見回しても

私に突き刺さっているのは、
軽蔑色に染まった瞳たち。





「もう私……
 みくる様のこと……
 信用できなくなっちゃいました……」


……乃々。



「番長が『嘘をつく人間が嫌い』って言うから、
 隠し事なんかしないで、
 なんでも番長に話してきたのに……
 あんまりじゃないっすか!」


……早苗。




「みくる様をお傍にいるの、
 やめてもいいですか?」



「それは……」


絶対に、嫌だなぁ。



だって、子猫ちゃん達は
私にとっての心の支えで。



自分で自分を消したいくらい、
情けなくなった時。


醜い過去の亡霊に、
心が乗っ取られそうになった時。


みんなの笑顔と優しさがないと、
私は、
前を向いて生きていけないんだから。



< 194 / 343 >

この作品をシェア

pagetop