彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目



その後のことは、よく覚えていない。




指示されるまま、
氷牙さんのバイクの後ろにまたがって。


いつの間にか、バイクが走り出し。


いつの間にか、自分の知らない景色が
広がっていた。





赤信号で止まる、バイク。


その時、私の瞳に映ったのは、
人気(ひとけ)のない古びた公園。




「あっ!」

私は、叫び声をあげると
氷牙さんの肩を、必死に叩いた。



「みくる、何?」


「氷牙さんと二人だけで、話したいです」


「今?」


「はい」


「メンバー、待たせてるんだけど」


「それでも、お願いします」




氷牙さんは
私の熱意に押し負けたように

バイクを、公園の駐車場に止めてくれた。





バイクから降り

誰も遊んでいない、公園の奥まで歩く。




「ここで良いか?」


大きな木で道路から死角のベンチに
氷牙さんが腰かけたのを見届け

一人分開けて、私も隣に座った。


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