彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「で? 話しって何?」
「それは……」
「俺に関係すること?」
「……そうです」
「待たせすぎると吠えるガキがいるから、
ちゃちゃっと終わらせてくれない?」
迷惑そうに歪む、氷牙さんの顔。
怒っているようにも見えてしまうから
私の口が、ゴモついてしまう。
でも、ちゃんと言わなきゃ。
これ以上
子猫ちゃん達にがっかりされる人間には、
なりたくないから!
サラサラと心地いい風が
私の心の中まで、吹き込んできた。
サヨナラを告げる覚悟ができたのは
木々の葉を優しく揺らすこの風に
背中を押してもらえたからかもしれない。
私は体中の空気を吐き出し
今できる精いっぱいの笑みを、
顔に貼り付けた。