彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目



「もうすぐ、救急車が来るから」


「……うぅ…っつぅ……」


「痛いよな?
 すぐに楽になるからな。
 頑張れ、みくる!」





俺の腕の中で
暴れまわるみくるの背中を

強めにさすっていた時。


電話越し飛んできたのは、
綺月の怒鳴り声。




『氷牙、何やってんだよ!』


何って……




『オマエは、そこにいたらダメだろ!』


「でも、みくるが……
 すっげー苦しそうで……」




『氷牙は今すぐ、
 みくるちゃんから離れろ!』


「……はっ?」



『みくるちゃんのゾクゾクを
 無意識に食らわないくらい、

 とんでもなく遠くに行けって
 言ってんだよ!!』




それって……



こんなに苦しんでいる、みくるを

置き去りにしろってことか?


< 218 / 343 >

この作品をシェア

pagetop