彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「もうすぐ、救急車が来るから」
「……うぅ…っつぅ……」
「痛いよな?
すぐに楽になるからな。
頑張れ、みくる!」
俺の腕の中で
暴れまわるみくるの背中を
強めにさすっていた時。
電話越し飛んできたのは、
綺月の怒鳴り声。
『氷牙、何やってんだよ!』
何って……
『オマエは、そこにいたらダメだろ!』
「でも、みくるが……
すっげー苦しそうで……」
『氷牙は今すぐ、
みくるちゃんから離れろ!』
「……はっ?」
『みくるちゃんのゾクゾクを
無意識に食らわないくらい、
とんでもなく遠くに行けって
言ってんだよ!!』
それって……
こんなに苦しんでいる、みくるを
置き去りにしろってことか?