彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
大好きな女を、抱きしめ続ける俺。
そんな俺の耳に、綺月の声が届く。
『俺……言ったよな……?』
今にも泣きそうなほど弱々しい
綺月の声に
俺も戸惑いを隠せない。
『オマエは……
俺たち人間と同じようには……
人を愛しちゃダメだって……』
電話越しに
綺月の鼻をすする音が聞こえてきて
俺の涙腺が刺激されてしまう。
『俺は氷牙に……
好きな女を殺した殺人犯になんて……
なって欲しくないんだからな……』
何なんだよ、綺月の奴。
反則じゃんか。
こんな時に、俺に涙声で訴えるなんて……