彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
俺の腕の中には、
心臓の激痛をごまかすように
自分の太ももを思いっきり叩き続ける
みくるがいて。
この腕をほどいて
みくるをこの場に置きざりにする
自分を想像すると
罪悪感で、心がめった刺しにされる。
でも……
綺月の言う通り……
みくるの命のが少しでも助かる方を、
俺は選ばなくてはならない。
綺月が自分のプライドを捨ててまで、
そのことを、
俺にわからせてくれたんだから。