彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
『解雇は勘弁して!』
心の中でアタフタする私のもとに
総長が優雅に歩いてきた。
「姫、何をしているんですか?」
何って……
「仕事してるの。見ればわかるでしょ?」
「もう、定時は過ぎましたよ」
「総長、このファイル達を見てよ!」
私は、
床に散らばったファイルたちを指さし
「入力全部、
明日中に終わらせなきゃいけないんだから!」
総長に
『大変でしょ』猛アピール!
私がパソコン苦手だって
知っている総長なら
この大変さをわかってくるはず!
そう思ったのに……
「じゃあ、問題ありませんね」
ふぇ?
「明日までの仕事なら、
明日やればいいんですから」
星が飛び交うような、キラキラ笑顔で
「ねっ、姫。
そうでしょ?」
追い打ちをかけるように、
ウインクまで飛ばされてしまったから
「そんなことしたら、
明日は、徹夜で仕事になっちゃうの!!」
飛んできたウインクに身震いしながら、
怒鳴り返してしまった。