彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「姫は、商店街にある
『花村堂』という和菓子屋さんを、
ご存じですよね?」
「うん、知ってるよ」
苺大福が有名なお店でしょ?
イチゴ嫌いな私は
ケーキ屋、和菓子屋の類は
足を踏み入れたことすらないけどね。
「そのお店の2階。
今日は、姫の貸し切りですから」
え?
どういう……こと……?
「ゾルックのパレードを
贅沢な場所で堪能できるよう、
お店の方に許可をいただいたんです」
「ちょっ……ちょっと待ってよ!」
いきなり
そんなことを言われても……
「何か不都合でも、おありですか?」
「不都合、大ありだからね!」
だって……
だって……
「生・氷牙さんを、一瞬でも
自分の瞳に映しちゃったら……」
「映してしまったら?」
「自分がどんな行動をとるのか……
私……わかん…ない…よ……」