彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「姫は氷牙さんに、
伝えたいことがありますよね?」
私の心の奥の奥まで見透かしたような
総長の真剣な瞳に、
背筋がゾワっと震い立つ。
「別に……
伝えたいことなんて……」
「こんな意地っ張りな女性。
僕か氷牙さんじゃなきゃ、
一生、面倒は見きれませんね」
「何それ……」
「姫は、気づいていましたか?」
「ん?」
「姫が氷牙さんと同棲をやめと聞いた後、
僕は部屋のベッドの上で、毎日、
喜びの大ジャンプをしていたんですよ」
いつも冷静で
感情の激しい浮き沈み
を顔に出さない総長が
ベッドの上で大ジャンプ?
想像できないなぁ……
「これで最大のライバルが
いなくなったって、
浮かれていましたからね。僕は」