彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
相変わらず総長は
苦しそうに眉を下げ、
夕焼け空を眺めている。
総長の気持ちは、
嬉しくないわけじゃなかったよ。
「ごめん。でも……私……」
「わかっています」
「え?」
「彼から離れた後も、姫の心は、
氷牙さん色に
染まったままだったのですよね?」
総長は私に視線を絡めると
苦しそうに笑った。
総長の瞳が
夕日色に光っているからか
余計にその笑顔が
痛々しく見えてしまう。
私は、素直にコクリと頷き
一生秘めておきたかった想いを、
吐き出した。