彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「氷牙さんのことが
今でも好きって……
ヤバいよね? 私」
「好きという感情は、
自分でコントロールできない
悪魔みたいなものです」
「……悪魔かぁ」
「僕も、長期にわたって
入手不可能な恋の悪魔に、
とりつかれてましたよ」
総長は
「過去の失恋話しですけど」と、
舌をテヘっと出したけれど
お茶目に笑ったのは、一瞬だけ。
私の肩に、両手を添えたと思ったら。
「総長は、姫を守るもので」
顏から、一切の笑みを消し。
「総長は、姫を幸せにするもので」
私を見つめる瞳に、熱意を宿し。
「高校の時に成しえなかった役目を
今果たしたい、僕のワガママ。
姫なら、受け入れてくれますよね?」
私の耳元で、
別人のように男らしい声を
震わせた。