彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
みくると絡んだ視線が
ほどけない。
いや……
ほどきたくない!!
お互い真顔のまま。
でも
見つめ合い続けている。
その時
みくるが、うちわをひっくり返した。
真っ黒いうちわに、
シルバーの文字が光っている。
そこに書かれていたのは……
『笑って』
はぁぁぁぁ~?
笑ってって、なんだよそれ!
そんなお願いされても
笑えるわけねぇじゃん!
みくるは知らないことだけど
俺がオマエをゾクゾクさせたら、
また
心臓発作を起こすかもしれないんだぞ!
俺はもう
オマエの心臓を、傷つけたくないんだよ!
それに、みくるの大好きな奴は、
俺じゃなくて総長だろ?
あの、童話に出てきそうな王子様に
一生、微笑んでもらえよ!