彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
千柳と元マネの企み
パレードが無事に終わり
控室に戻ってきた俺達。
俺はパイプ椅子に座り
誰とも話したくなくて
あえて、机に顔を伏せる。
綺月も、千柳も、天音も
早く好きな女のところに、帰ってくれ。
それで俺を、1人にさせてくれ。
そう願っていたのに……
「氷牙さん、大丈夫?」
「極甘なミルクティー買ってあげるから、
元気出して。ねっ」
「今から4人で、千柳ん家に行こうぜ。
朝まで、
氷牙の泣き言に、付き合ってやるからさ」
天音、千柳、綺月が
普段の10倍以上の優しい声を
ふりかけてくるから
怒鳴り魔王の
黒羽氷牙になりきれない。
「わりぃ……
一人にしてくんない……?」
顔をあげられないまま
俺は、弱っちぃ言葉を吐き出すだけ。