彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
でも私が驚いているのは、見た目のパーフェクトさではない。
私の結婚相手が、県内で大人気の『アイドル様』だっていうこと!!
だってあの人は、テレビをほとんど見ない私でも知っているレベルの有名人で。
地元企業のCMにもバンバン出ている……
「ゾルックの氷牙(ひょうが)さん!?」
私の驚き声がチャペルに響き渡る。
見回すとこのチャペルにはウエディングドレス姿の私と、貴族のように華麗にタキシードを着こなす氷牙さんしかいなくて。
ピクリとも笑わない氷牙さんが、レッドカーペットの上を優雅に歩き始めた。
どんどん縮まる、私と氷牙さんの距離。
縮まれば縮まるほど、私の胸のバク音も大きくなっていく。
氷牙さんは私の前で止まり、冷たい瞳で私を睨むと
片膝をつき、私の左手の薬指に優しくキス。
「ひゃっ!」
驚き声と共に、私は手をひっこめちゃったけれど
メガネ王子の前髪をかき上げるセクシーな仕草に、ドクンドクンと心が乱れてしまう。