彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「姫は、どこまでお人よしなんですか?」
「総長? なにそれ?」
「嫌いなものは嫌いって
はっきり伝えなければいけませんよ?」
「………………まあね」
「苺のストラップは、
返しておきましたから」
手の平に鍵を乗せられ。
「これで少しは
姫の気分が、楽になりましたか?」
どこの国のプリンスっていう程
優雅で上品な笑みを、こぼされたから
「…………ありが…とう」
滅多に総長に伝えない、お礼の言葉を
私は素直に口にした。
そんなことをしている間に
私と総長の周りには、
子猫ちゃん達が詰め寄り。
「総長、ズルいです」
「朝は私たちが、みくる様の独占権を
持っているんですからね!」
不平不満が飛び交う事態。