彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目
「そうでしたね」
「みくる様といる時間が、
少なくなっちゃったじゃないですか!」
「僕が姫を独占できるのは、
お昼休みの後半だけというお約束でしたね。
すっかり忘れていました」
花がほころんだような、おっとり笑顔を
総長は子猫ちゃん達に
振りまいているけれど……
『私を独占』って。
氷牙さんに聞こえる場所で
勘違いされるような発言をしないで!
ついつい総長に
いつもの睨みを飛ばしてしまう。
ひゃっ!!
ヤバイ、ヤバイ!!
氷牙さんの存在、
またまた忘れてた!!
バイクのフカシ音が聞こえ
慌てて振り向いた私。
それなのに……
あっ!
行っちゃった!
氷牙さんは私を見ることもなく、
バイクで走り去っていった。